新規事業でジェネレーティブAI(GPT-4、ChatGPT)を活用する7つの具体例

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2023年4月5日:ビジネス評価の事例を追加

2023年3月12日:ペルソナ作りの事例を追加

2022年も終わろうとした12月にOpenAIからChatGPTがリリースされ、5日で100万人が利用するなど各業界で話題となりました。

そこで新規事業分野で、AIの力を体験してみませんか?

ChatGPTは、新規事業の立ち上げに革命を起こすかもしれません。ChatGPTやGPT-4を使用してタスクを自動化し、新規事業の初期調査の速度を上げることができます。

個人事業主であれ、大企業であれ、人工知能の力を活用することで、効率的かつ効果的に作業が可能になります。

今すぐChatGPTやGPT-4を体験し、AIがあなたのビジネスをどのように変えるかを見てみましょう。

新規事業の現場で働くメンバーの方向けの記事です。

新規事業の調査や壁打ちにAIがおすすめな5つの理由
  1. 市場規模などの30分かかりそうな調査系が5秒で完了
  2. ユーザーのジャーニー理解やバリューチェーン調査ができる
  3. 領域の課題やソリューション案だしができる
  4. ペルソナ作成が5秒で完了
  5. ビジネス評価が5秒で完成

市場調査作業が5秒で完了

GPT-3で市場を調査

上記のツイートをきっかけに他にどんな活用方法があるか探ってみました。

試しにGPT-3で高齢者の市場と国内と海外の主要プレイヤーについて以下のように質問をしました。

日本の[高齢者サービス]の市場規模の過去5年間の推移と構成、日本の主要企業と売れている製品と製品別の売上シェアを教えてください。
また、世界の[高齢者系スタートアップ]の調達額とシリーズと売上のランキング上位10位を教えてください。
最後に各要素のソースリンクも共有お願いします。
日本の高齢者サービスの市場規模の過去5年間の推移 日本の高齢者サービスの市場規模は、2015年から2020年までにおよそ3,250億円から4,230億円まで拡大しました。2015年から2018年までは年間平均成長率(CAGR)が約3.6%、その後は低い成長率を維持しています。

■日本の高齢者サービスの構成
日本の高齢者サービスの構成は、介護保険サービス、介護施設サービス、介護用品、介護用品レンタルサービス、介護関連トレーニングサービスなどで構成されています。

■日本の主要企業と売れている製品と製品別の売上シェア
国内の主要企業として、東急リハビリテーション、三菱地所レジデンス、レジデンスエージェンシー、大和ハウス、サンケイスポーツなどが挙げられます。
それぞれの会社の製品と売上シェアは、介護保険サービス(東急リハビリテーション:22.6%、三菱地所レジデンス:16.3%)、介護施設サービス(レジデンスエージェンシー:13.1%、大和ハウス:12.4%)、介護用品(サンケイスポーツ:14.7%)、介護用品レンタルサービス(サンケイスポーツ:7.2%)、介護関連トレーニングサービス(サンケイスポーツ:6.4%)などです。

■世界の高齢者系スタートアップの調達額とシリーズと売上のランキング上位10位
世界の主要な高齢者系スタートアップの調達額とシリーズと売上のランキング上位10位は以下のとおりです。
Livongo($1.1B、シリーズF)
SilverCloud Health($138M、シリーズC)
Health Catalyst($1.1B、シリーズF)(以下省略)

すると1,544文字の回答が5秒で表示されました。初期の概要把握には利用できそうです。[]内を調べたい領域に変えるだけで応用が効きます。

ユーザージャーニー、バリューチェーン理解が5秒で完了

ChatGPTでユーザージャーニーを調査

GPT-3で高齢者市場とプレイヤーについて理解しました。次は、高齢者サービスの中で領域を絞って、ユーザージャーニーやバリューチェーンを理解していきます。

ChatGPTで介護施設のユーザージャーニーについて以下のように質問をしました。

[介護施設]のユーザー行動のカスタマージャーニーを箇条書きで教えてください
介護施設のユーザー行動のカスタマージャーニーとは、介護施設を利用する個人やそのご家族が経験するさまざまな段階を指します。介脢施設のユーザー行動のカスタマージャーニーは、以下のような箇条書きになります。
介護施設の存在やサービス内容を知る
介護施設についての情報を収集する
介護施設の利用を検討する
介護施設との契約を結ぶ
介護施設を利用する
介護施設を利用した感想や評価をする(以下省略)

この他にも、「介護施設の企業側のバリューチェーンを箇条書きで教えてください」と質問をすると以下のような回答が得られました。

[介護施設]の企業側のバリューチェーンを箇条書きで教えてください
介護施設の企業側のバリューチェーンとは、介護施設を運営する企業が提供するサービスや製品を通して、企業が収益を生み出すための工程や手順を指します。介護施設の企業側のバリューチェーンは、以下のような箇条書きになります。
介護施設の運営計画の策定
介護施設の建設や改装
介護施設の運営や管理
介護サービスの提供
介護施設の広告やマーケティング
介護施設の利用者やそのご家族との契約の管理
介護施設の利用者やそのご家族からの収入の確定
介護施設の運営費用や経費の管理(以下省略)

課題やソリューションのリストが得られる

ChatGPTで業界や領域の課題を調査

カスタマージャーニーやバリューチェーンを理解することで次のどんな課題やソリューション案が考えられるのかChatGPTに質問をしました。

[介護施設]領域で新規事業を行う場合、課題を教えてください
介護施設領域で新規事業を行う場合、次のような課題があります。
・資金繰りの課題
介護施設の運営には、建設費用や人件費など、多額の資金が必要です。新規事業の開始時には、これらの費用を確保する必要がありますが、資金の確保が難しいことがあります。
・競争の激しい市場
介護施設領域では、既存の企業が多数存在しており、競争が激しい状況があります。新規事業の開始時には、既存企業と競争することになります。(以下省略)

また、課題の理解からどんな解決策案が考えられるかも壁打ちが可能です。

[介護施設]領域の新規事業アイデアを10個教えてください
1.介護施設を家族向けにデザインすることで、入居者と家族のバランスを保ち、より自然な環境を提供すること。
2.介護施設での日常生活をより楽しくするための、施設内でのイベントやアクティビティを設けること。
3.介護施設で働く介護士や看護師をサポートするための専門的なトレーニングプログラムを提供すること。(以下省略)

と新規事業のアイデアの質は期待できないことも多いいが光る内容やとっかかりとなるアイデアが見つかるかもしれない。

ペルソナ作りができる

ペルソナ作りの案をChatGPTに質問しました。

「新規事業 成功事例」で検索するユーザーで、「年齢、性別、年収、性格、職種、役職」を予想してください。
その検索ユーザーが「新規事業 成功事例」というキーワードを検索するに至った背景をストーリー性をもたせて考えてください。
また、その検索ユーザーが「いつまでに、どうやって、どのようになりたいか」を予想してください。
そして、その検索ユーザーが求めている「顕在ニーズと潜在ニーズ」をそれぞれ3つ予想してください。
最後に、その顕在ニーズ、潜在ニーズを満たすうえで、「どのようになると、その検索ユーザーが幸せになれるのか」予想してください。
年齢:30代から40代
性別:男性
年収:500万円以上
性格:積極的、冒険心がある
職種:起業家、ビジネスパーソン

この検索ユーザーが「新規事業 成功事例」というキーワードを検索する背景には、自身が起業や新規事業を始めるにあたり、成功事例を知りたいという目的があると考えられます。具体的には、自分のアイデアが実現可能かどうかを確認したり、成功事例を参考にして自分の事業計画を練ったりするために、情報を収集しようと思ったのかもしれません。

この検索ユーザーが「いつまでに、どうやって、どのようになりたいか」を予想すると、数年後には自身が起業し、新規事業を成功させていることを目指していると考えられます。そのためには、成功事例を参考にしながら、自身のアイデアをより具体化し、計画を立てて実行していくことが必要だと考えているのかもしれません。

この検索ユーザーが求めている「顕在ニーズ」としては、以下のようなものが考えられます。
・成功事例を知りたい
・新規事業のアイデアを具体化したい
・計画を立てるための情報を収集したい
また、潜在ニーズとしては、以下のようなものが考えられます。(以下省略)

この使い方は初期のペルソナ作りにとても有効になりそうです。

2023年3月10日の下記投稿を参考。

ビジネス評価ができる

あなたは上場企業の経営者です。新規事業を考えるときは、常に以下のポイントから参入するかどうか考えています。私がビジネスアイデアを投げかけたら、以下の評価軸からビジネスを評価してください。
<条件>
・それぞれの項目に5点満点で点数をつけ、合計点を出してください。
・微妙だと思った項目にはしっかり1点をつけてください。
・抽象的に答えず、具体的に答えてください。
・各項目にはできる限り100文字以上で答えてください。
・テーブルで書いてください。
<評価軸>
・成長性
・将来性
・新規性
・競合はどこか
・必要な人員数
・5年後の売上
・累積損解消時期
<インプット>
ビジネスアイデアは[NFTを活用した会員権サービス]です。
評価項目
点数
コメント
・ユーザーが存在するか
3/5
NFTに興味のあるユーザーがいるが、需要が限定的かつ未知数であるため、高得点には至らない
・成長性
4/5
NFT市場の成長が期待されるため、成長性は高いと考えられる
・将来性
4/5
長期的な需要が見込めるため、将来性はあると考えられる
・新規性
4/5
NFTを用いた会員権サービスは新しい試みであるため、新規性は高いと考えられる
・競合はどこか
2/5
同様のサービスが存在しないため競合は少ないが、未知数な市場であるためリスクは高い
・必要な人員数
2/5
NFTに詳しいスタッフが必要であり、人員の確保が課題となる
・5年後の売上
3/5
NFT市場の成長が期待されるが、市場規模には限界があるため、売上は限定的となる可能性がある
・累積損解消時期
2/5
NFT市場の未知数性から、累積損解消時期は長期化する可能性がある

アイデアを評価するときにとても有効です。評価軸を更新すると自分の好きな観点で評価してくれます。また、総合点もでるので、複数サービス案との比較も可能です。

2023年4月5日の下記投稿を参考。

まとめ

新規事業の調査や壁打ちにAIがおすすめな5つの理由
  1. 市場規模などの30分かかりそうな調査系が5秒で完了
  2. ユーザーのジャーニー理解やバリューチェーン調査が5秒で完了
  3. 領域の課題やソリューション案だしが5秒で完了
  4. ペルソナ作りが5秒で完了
  5. ビジネス評価が5秒で完成

新規事業立ち上げ時のAIとの壁打ちを紹介しました。まだ初期段階なので質問方法にテクニックがいると感じます。

Google検索に変わって利用のイメージがわく質問領域もあると感じました。

また、GPT-3.5やChatGPT4はAPIも用意されているので、自社サービスへのつなぎ込みをすることでサービスの幅も広がりそうです。業種やサービス案を入れるとビジネスキャンバスを10秒で作ってくれるサービスなど構築できそうです。

ぜひGPT-4ChatGPTを利用してみてください。

この技術がどこまで進化するかは分かりませんが、素晴らしい旅になることは間違いないでしょう。さあ、AIによる壁打ちをはじめましょう!