こんにちは、インキュベーターの青林です。
今日はプロダクト作りの初期ステップ、
『ユーザー体験を決める』
についてお話します。
- サービス全体を通してユーザーの体験を最大化する
- 再訪問・継続課金の仕掛けを事前に組み込む
- 口コミの仕掛けを事前に組み込む
- チーム(エンジニア、デザイナー)間でサービス体験の認識を合わせる
ユーザーヒアリングから課題、解決策、日常や業務での解決策イメージがわかりました。次にプロダクト作成の初期ステップとして下記7ステップをスムーズに進めるために事前に想定と準備を行います。
- 実際にプロダクトをユーザーに認知してもらう
- ユーザーがサービスへ訪問する
- ユーザーがサービスを利用する
- ユーザーがサービスに課金する
- ユーザーがサービスに再訪問する
- ユーザーがサービスを友人に紹介する
- ユーザーがサービスを継続的に課金利用する
※4,5はサービスによって前後する
例えば、下記のサービスを立ち上げようとしている事業担当者を参考に考えてみよう。
💭:プロダクトはあるが、何をすれば事業が成長するかわからない人向けに
💻:TV電話で経験者に
⚙:伴走をしてもらえるサービス
もくじ
①プロダクトをユーザーに認知してもらう
認知 | |
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ユーザーの感情 | ・サービスを作ったが利用されない ・数値を見ているがどこから手を付ければいいかわからない ・課金されない |
運営準備 | ・PRでサービスを新規立ち上げしたスタートアップにコールドメールを送る ・SNSで起業家をフォローする |
ゴール | 起業家の悩みをヒアリングし、サービスカテゴリーに追加し、起業家の事業の悩みを伴走するサービスだと認知を獲得する |
課題をかかるユーザーの感情を想像してどんな行動をしているか、感情をいい方向に持っていくにはどんな情報がどこで見つかるといいか想像して運営準備を作っていきます。
プロダクトリリース後の9つの初期ユーザー獲得方法(toC向け)②ユーザーがサービスに訪問する
訪問 | |
---|---|
ユーザーの感情 | ・経験者の知見がひと目で知りたい ・自分の悩みのステージが知りたい ・費用がかかるのか知りたい ・すぐに相談できるのか知りたい |
運営準備 | ・ファーストビューで経験者と知見を明記する ・事業のステージとやるべきことを見える化する ・費用をコンテンツ閲覧時に見えるようにする ・相談できる最短の日程を明記する |
ゴール | ・経験者の写真と知見情報、値段から伴走サービスを利用したいと思わせる ・詳細なプロフィールはアカウント登録後に見えるようにすることで登録を促す |
サービスに訪れたユーザーは、下記の状態になります。
- ファーストビューでサービスが理解できないと3秒で離脱する
- 自分はサービスの対象者ではないと思うとスクロールして5秒で離脱する
ユーザーのログを見ないとわからないことですが、ほぼすべてのサービスにおいて同じ結果になるのでファーストビューの作り込みはキーメッセージはとても大切になります。
③ユーザーがサービスを利用する
利用・登録 | |
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ユーザーの感情 | ・アカウント登録は記入項目が多くないか ・お試しで気軽に問い合わせから始められないか |
運営準備 | ・アカウント登録は3ステップで完了する ・問い合わせは面倒な登録が必要ないと明記する |
ゴール | ・登録が簡易で問い合わせは簡易なアカウント登録からでき、まずは利用してみようと背中を押す ・初回ヒアリング無料のクーポンを配布する |
ステップ2をクリアーできたら、ユーザにサービスを利用したいと思ってもらう必要があります。
サービスの1番の価値を早く体験させる
これにつきます。
なので、何も登録しない状態でもサービスの価値を体験できる状態にできないか?考えます。
下記のステップでユーザー体験を設計するといいと思います。
- 会員登録なしですぐに利用できる
- 資料請求する or 会員登録して利用できる
- 課金して利用できる
また、資料請求や会員登録項目が3個以上あると離脱の原因になるので初回は3個以下にすることをおすすめします。
理由は離脱前にメールアドレスを取得したいからです。メールアドレスを取得してCRMを開始したいという目的もあります。
もっと情報を入力しないと利用できない設計の場合、会員登録後画面でその他の情報を入力してもらう設計にすることをおすすめします。
④ユーザーがサービスに課金する
課金 | |
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ユーザーの感情 | ・課金後にスケジュールをすぐ予約できるか知りたい ・課金後に課題解決されない場合返金してもらいたい |
運営準備 | ・最短のMTG予約スケジュールがわかる ・経験者と事前のチャットができる *チャット上では課金前にURLの送信(MTG用URLなど)はできないようにする |
ゴール | ・課金前に課題の認識合わせと、フィードバックの粒度を認識できるようにする |
課金の障壁は高いですが、ユーザーに提供できる価値が伝えられていれば障壁は低くなります。
課金でカード情報の入力を簡易にできないか?
考えることは大切です。Appleログイン連携やECであればAmazon連携でカード登録の手間を省き課金確率を上げることができます。
⑤ユーザーがサービスに再訪問する
再訪問 | |
---|---|
ユーザーの感情 | ・前回の経験者との打ち合わせ後にわかった結果を共有したい ・前回相談した人の空きはあるかな |
運営準備 | ・初回MTG後7日後にに結果を経験者に送ろうメールを送る ・結果の共有はテキストでも行えるようにする ・結果からのフィードバックを受けるには月額の伴走が必要とする |
ゴール | 月額の伴走依頼をすることで中長期的に両者の関係を作れるようにする |
プロダクトを出す前に課金までのフローは考えていることが多いけれど、再訪問以降のフローを考えて作られているサービスは少ないです。
再訪問以降のフローを考えないでサービスを出すことは、LTVの最大化を無視している行為になります。
ぜひ再訪問を促す仕掛けを考えてサービスを出したいところです。
再訪問のポイントは
- 初回訪問時のアクションに結びつくリアクションを伝える
が有効です。
Twitterは初回アカウント作成時に最低5名をフォローさせ、
- フォローした人の投稿をメールで送る
- フォローしたユーザーと類似のユーザーをメールで送る
などをして再訪問を促しています。
ここの話はフックの法則が有名です。再訪問を最大化させるための方法として参考になる書籍です。
⑥ユーザーがサービスを友人に紹介する
友人に紹介する | |
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ユーザーの感情 | ・友人を紹介すると無料の相談券がもらえるから利用したい |
運営準備 | ・継続利用者向けにも友達紹介で無料のチケットを用意する ・紹介された方も無料で1回相談できる仕組みにする |
ゴール | バイラル係数を高める施策準備と、自然でのグロースを計画する |
友人に紹介する仕組みが作れると広告費に頼らずにサービスの成長が見えてくきます。
もちろん、サービスの価値がユーザーに伝わっていないと友人への紹介は生まれません。
紹介の仕組みはクラウドファイルサービスのDropboxが容量を無料で追加するために、ユーザー招待機能を提供していました。
また、ClubhouseやDispoは招待制のサービスにすることで、初めから紹介の仕組みでグロースを狙う設計にしていました。ここでも招待制でグロースできるのは、事前のユーザー検証が完了しており、勝ちとなる体験設計ができている=PMFできると事前の仮説検証が完了しているからなせることです。
表層をマネていきなり招待制サービスを初めないように注意が必要です。
【シート有】PMF達成のための指標①:口コミを生むバイラル係数⑦ユーザーがサービスを継続的に課金する
継続課金 | |
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ユーザーの感情 | ・数名の経験者と話した結果、いいフィードバックが得られそう ・同じ業態の経験者からのフィードバックのお陰で次の行動が明確になる |
運営準備 | ・業界・業種別の経験者を最低1名以上集める ・初回のMTGとフィードバックから満足できなかったユーザーのリカバリー策として、他の経験者の紹介を行う |
ゴール | 初回のMTG後の満足度を最大化することでサービスの継続率・課金率を向上させる |
継続的に利用してもらえる。
継続的に課金してもらえる。
課金期間がどんどん長くなる。
そんなサービスを作れるように、リリース後にユーザーのログを貯めて継続率の分析からユーザーリサーチから改善を積み重ねていきたいです。
- ユーザーが課金して最高の体験を経験しているか?
- サービスがなくなったら困るユーザーが40%以上いるか?
を確認し、提供できていなければ何が必要なのか。ユーザーへのヒアリングから導き出す必要があります。
【シート有】PMF達成のための指標②:継続率最後に
ユーザー体験を考える7ステップをまとめました。
- 実際にプロダクトをユーザーに認知してもらう
- ユーザーがサービスへ訪問する
- ユーザーがサービスを利用する
- ユーザーがサービスに課金する
- ユーザーがサービスに再訪問する
- ユーザーがサービスを友人に紹介する
- ユーザーがサービスを継続的に課金利用する
ここで利用したシートは共有するのでぜひ活用してみてください。