LayerXの4つの原理原則:デジタルネイティブな会社文化とは

LayerXの4つの原理原則

こんにちは、旅するインキュベーター青林です。

このブログでは、起業と事業立ち上げを行ってわかった7年間のノウハウを紹介していきます。

今回の話は

『LayerXの4つの原理原則』

について紹介します。

デジタルネイティブな会社の4つの原理原則
  • マーケティング、営業:徹底したファネル管理
  • プロダクト:データドリブンな顧客理解
  • 開発生産性:クラウド・SaaS活用 x 内製化
  • マネタイズ:ストック型

アルゴリズムで適切な人に適切な情報を提供するGunosyの元代表で、ブロックチェーン・テクノロジー関連事業を展開するLayerX代表の福島さんのツイート内容です。

1.マーケティング、営業は徹底したファネル管理

顧客管理・ファネル管理を属人化せず、徹底してファネル管理

ファネル管理することで、「より正しいKPI管理・評価」→「より正しいアクション」→「精緻な事業計画」とつながる。

福島良典

初期の起業時はファネルを検索して言葉の意味を理解するも実際に理解できたのは事業でKPIからアクションを考えるようになってはじめてでした。(ここに書かれている通りのことを体験してはじめて価値に気づく。。)

流入から課金(成約)までの遷移と確率を例えば下記とします。

Topページ:1,000UU

└詳細ページ:100UU(10%)

└会員登録:5UU(0.5%)

└課金・決済:1UU(0.1%)

事業経験があると、

  • 会員登録の率が0.5%は低いな、2-3%は欲しい
  • 課金・決済完了0.1%は低いな、1%は欲しい

という理想の数値前提で改善が進み、理想の数値に近づくための正しいアクションのストックがあります。

理想形に近づけるための、アクションリストから精緻な事業計画へ修正が行えるようになってくるのだと思いました。

2.プロダクトはデータドリブンな顧客理解

勘ではなく、「事実」で真の顧客理解をする。

チャーンレートや、利用動向の分析など「統計的なデータ活用」はもちろんのこと、徹底したログの収集や、その穴を埋めるユーザーヒアリング・顧客ヒアリングを通した「正しい定性情報・定性理解」を重要視する

福島良典
チャーンレートとは
チャーンレートは解約率のこと。

月次の解約率や解約率に紐づく管理画面ログイン率やデータ利用料、管理画面利用率などの利用動向を分析します。

すべて利用ユーザーの継続利用率 = お金を長期で課金してもらうための考えです。

そして、利用動向は数値で定量的に見えますが、その裏の理由は数値からだけではわかりません。

なので実際にユーザー・顧客ヒアリングして理解しようということです。

解約率は遅行数値で利用動向数値から遅れて表れます。管理画面ログイン率が前年比で20%下がっている母集団があったなど、解約に結びつく兆候があれば、ユーザーヒアリングをしましょう。

3.開発生産性はクラウド・SaaS活用 x 内製化

「コア」と「ノンコア」を理解して、「ノンコア」の部分は徹底して、クラウド・SaaS・ソリューションを活用。(「巨人の肩に乗る」)

あらゆる業務改善にエンジニアを配置し、「巨人の肩」をフル活用できる徹底的な内製化

前提:「ソフトウェアのコントロール領域の広がり」・「技術の民主化・コモディティ化」の波に乗る

福島良典

toC向けのサービスをコア事業だとしたら、人事の採用管理業務はノンコアとする。つまり、紙やエクセルで採用管理するのではなく、採用管理をオンライン化したSaaSサービスは増えてきている(ソフトウェアのコントロール領域の広がり)ので活用する。

4.ストック型でマネタイズ

ショットでの単価や、短期的な収益ではなく、顧客の中長期での「LTV最大化」を重要視する。

短期的に顧客を騙すより、長期的に顧客のためになることをする。

ソフトウェアが広がることでモノからサービスに産業構造が変わり、売り切り型ではなく、中長期での収益(そしてそのもととなる顧客体験)を重視する

福島良典
LTVとは
LTVはLife Time Valueの略で、「顧客生涯価値」のこと。顧客がサービスに課金する金額の合計。

ここ数年の大きなビジネスモデルの変化はショットでのソフトウェア購入から月額課金でのクラウド利用。

事業者視点ではユーザー・顧客が自社のソフトウェアで事業の成功が行えている限り長期で課金が続く。

長期でユーザー・顧客との関係が続くということは、売ったら終わりではなくなる。売ってはじめて関係がスタートし、常に価値を与え続けないと関係が終わってしまう = 課金が終わる。

この変化は、採用するメンバーの考え方、会社の思想の変化まで必要になる。

最後に

デジタルネイティブな会社の4つの原理原則
  • マーケティング、営業:徹底したファネル管理
  • プロダクト:データドリブンな顧客理解
  • 開発生産性:クラウド・SaaS活用 x 内製化
  • マネタイズ:ストック型

LayerXの4つの原理原則について書きました。

ここで書かれたことは、どんなビジネスの型でも当てはまる考え方です。

新規事業立ち上げ後のPMFからグロースでも参考になるので紹介でした。

福島さん学びをありがとうございます!