こんにちは、インキュベーター青林です。
このブログでは、起業と事業立ち上げを行った7年間のノウハウを紹介していきます。
今回の話は
『ユニットエコノミクス(Unit Economics)』
について紹介します。
- サービスの健全性を知る
- LTVから逆算してユーザー獲得費用(マーケティング予算)を想定する
“ユニットエコノミクス”は、企業とユーザーの関係が長期的に考えられるようになった今、大切な考え方になりました。
ユニットエコノミクスが””健全である”や健全でないといい、
- 健全:ユーザーから得られる一生の収益がユーザー獲得費用よりも大きい
- 健全でない:ユーザーから得られる一生の収益がユーザー獲得費用よりも小さい
ということをあらわしています。
一人から得られる平均の売上が500円なのに、一人のお客さんの獲得から支払いまでに1,000円かかっていたら、お金が出ていくばかりになります。ビジネスが成り立たない = 健全でない という話になります。
ここで、1ユーザーから得られる一生の収益を顧客生涯価値といいライフタイムバリュー(LTV:Life Time Value)と言います。
また、ユーザーの獲得から課金までにかかる営業とマーケティングの合計支出を顧客獲得費用(CAC:Customer Acquisition Cost)と言います。
それぞれLTVとCACは下記の計算式であらわします。
- LTV = 平均購入単価 × 平均購入回数 ①
- CAC= 営業とマーケティングの合計支出 ÷ 新規ユーザーの数
LTVとCACの計算式がわかったら最後に、ユニットエコノミクスの計算式は
ユニットエコノミクス = LTV ÷ CAC
となります。
もくじ
LTVは複数の計算方法がある
顧客生涯価値(LTV)の計算式は複数存在します。
- 平均単価 × 利益率 × 平均継続期間(①と同様)
- 平均単価 × 利益率 ÷ 解約率
- 年間の平均単価 × 利益率 × 平均継続年数
※ 売上ベースでLTVを考える場合、利益率は無視して考えます
1で平均継続期間は下記の表のようになり継続期間の裏返し(逆数)が解約率となるので1と2の計算式は成り立ちます。
表にするとわかりやすいです。
3の計算式は年のサイクルで考えた場合の計算式です。
LTV最大化
ユニットエコノミクスを健全にするため(ビジネスを成功させるため)に、LTVが最大になるようにします。
LTV = 平均単価 × 平均継続期間
なので、商品の値段を上げる or 課金期間を長くできればいいことがわかります。
最も理想的な状態が「高単価」で「毎月お金を払ってもらえる」サービスです。
- 平均単価を上げる
- 今年よりも翌年は機能追加により単価を上げられないか?
- 途中解約を減らすために年間契約で割引にできないか?
- 平均継続期間
- 都度購入のサービスは月額サービスにできないか?
- 利用期間が長くなるほど辞められなくするためには、どんなデータがサービスにたまる仕掛けが必要か?
を考えることが有効です。
ユニットエコノミクスを3倍以上目指す
LTV最大化を実施した結果、1年サイクルのユニットエコノミクスが3倍以上になり、2年サイクルは4倍になった。
1年サイクルの場合、6,000円の広告費で18,956円の売上が得られることがわかる。
6,000円を払うと、3倍のお金が戻ってくるビジネスなのだ。ビジネスの方程式がわかれば、広告費を増やして、平均6,000円で何人までユーザーの獲得ができるかの勝負になってくる。
LTV、CACは常に変化し、チャネル毎に変わる
ユーザーが変わればLTVもCACも変わる。
広告費を増やすほど、CACは増える。
課題から検索してサービスを使い始めるユーザーと広告経由できたユーザーの継続期間は変わる。
また、今まで6,000円の広告費で獲得できていたユーザーが、年末の繁忙期や競合の出現などで、広告費が高くなることはよくある。
マーケティングのチャネル別 × ユーザーの獲得時期でLTVやCACを分けて計測することが大切になる。
最後に
- サービスの健全性を知る
- LTVから逆算してユーザー獲得費用(マーケティング予算)を想定する
今回のユニットエコノミクスの考察で利用したスプレッドシートを読者向けに開放します。
新規事業やスタートアップのPMF達成に向けて活用してください。
Newmix運営者が新規事業やスタートアップで活用できるテンプレシートを今後も共有していきます!