【新規事業トレンド2022年】新規事業担当者がおさえたい6つの傾向

新規事業立ち上げトレンド2022

2021年は引き続きコロナの影響を受けていまいて、2022年も続きそうです。

そのお陰か企業内でもオフラインからオンラインの比率が上がってきました。

個人的には新規事業立ち上げを行ったり、クライアントの事業伴走を再開しました。

その中で、新規事業担当者30名以上に参入を想定している事業領域から技術トレンド、課題についてヒアリングしました。

その中から2021年の新規事業を振り返り2022年を予測してみたいと思います。

新規事業トレンド2022年のまとめ
  1. ゲーム会社中心にNFT, クリプト領域の新規事業が実稼働開始
  2. 投資や協業目的の飛び地を行う部署にも具体的な成果や黒字が求められる
  3. 外部人材や外部企業の活用が進む
  4. 初期は事業計画(PL, BS)よりもユーザーヒアリングやファネル数値が重視される
  5. 事業立ち上げの仕組み化・ドキュメント化が進む
  6. 上長・役員の評価に新規事業の成果が含まれる

2021年までの新規事業

  1. 自社アセット(技術 x 領域)を活用した新規事業に注力
  2. 飛び地は投資や協業で注力
  3. 予算傾向
    • 初期アイデアの検証:数百万円
    • 初期プロダクト作成:数百万円 – 数千万円
    • 初期プロダクトを用いたニーズ検証:数千万円
    • 本格展開:数億円
  4. アイデアコンテスト、オープンイノベーションが一般的に
  5. 現場の負は変化なし

新規事業の参入市場と製品


1,2では自社が参入すべき事業領域の方法が整理されてきている印象を受けました。

新規事業参入における市場と製品のマッピング
新規事業参入における市場と製品のマッピング整理

市場と製品(プロダクト)の参入領域を2軸で見ると、9つのカテゴリーに分類できます。その中で既存事業をまとめると大きく3つの領域が見えてきます。

  1. 既存事業
  2. アセットを活用した新規事業
  3. 投資・協業・研究領域の新規事業

2を新規事業で参入し、3をCVCでスタートアップへの投資や協業、自社の研究所で技術アセットを深堀りしていくイメージです。

なのでNGなことは、新規事業で領域も自社の技術アセットもない領域に参入することは割けたほうが良さそうです。理由は領域も自社の技術アセットもない領域に参入は、初期の投資が投資と事業として立ち上がるまでに時間がかかるためです。

例外的に初期投資で数億円かけることができ、人材から技術アセットを外部との協業や買収で進められる場合は成功角度が上がります。実際にソニーさんの不動産領域への参入が具体例になります。

SRE不動産から得られる4つの学び 非公開: ソニーの新規事業から生まれたSRE不動産(ソニー不動産)から得られる4つの学び

予算


複数の企業(社員500名以上)の会社の場合、新規事業の予算はステージゲート方式で分かれています。

  • 初期アイデアの検証:数百万円
  • 初期プロダクト作成:数百万円 – 数千万円
  • 初期プロダクトを用いたニーズ検証:数千万円
  • 本格展開:数億円
ステージゲート方式による事業開発マネジメント
リクルートの新規事業開発プログラム

アイデアコンテスト、オープンイノベーション


多くの企業がリクルートのRingやサイバーエージャントあした会議を参考に2014年・15年からアイデアコンテストを元に新規事業をはじめました。

それから数年が経ち、コンテスト経由でプロダクトを出したサービスが継続か撤退の意思決定を迫られ、また、新しい新規事業が検証を行っている段階だと思います。

1順したことで経験者が運営側に周り経験者のノウハウから新規事業が上手く作れる体制ができてきたのが2021年のように感じました。

また、オープンイノベーションではcrewwAUBAで企業がスタートアップとの組先を探したり、Spreadyで企業の新規事業アイデアのユーザーテスト候補を探したりされています。企業の新規事業の成功角度を高めるための外部サービスが増えてきて、活用も一般化されてきた印象を受けました。

現場の不


体制や外部環境が整ってきた一方で現場担当者の負は解消されていません。

新規事業の3つのフェーズで直面する11の壁
新規事業の壁11個と成功する2つの要因 書籍「事業を創る人」の大研究のデータからわかる新規事業の11の壁と成功する2つのカギ

2022年新規事業トレンド予測

1.ゲーム会社中心にNFT, クリプト領域の新規事業が増える


スクウェア・エニックス2021年11月5日開催の第2四半期決算説明会資料

2022年はスタートアップ中心にWeb3元年となりそうです。企業でもゲーム会社やプラットフォームを持つIT企業を中心にクリプト領域での新規事業の実証実験段階からサービス化へ変化が起きる年になりそうです。

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2.投資や協業目的の飛び地を行う部署にも具体的な成果や黒字が求められる


CVCでスタートアップへの投資や協業、自社の研究所で技術アセットを深堀りしていく部署や子会社は単体での黒字化を求めらる傾向はあまりありませんでした。

部署や子会社ができて5年を経過する段階の企業も増えてくると予測されることが、そろそろ具体的な協業や投資による成果や単体での黒字化が求められるようになるのではないでしょうか。

成果の出ていないプロジェクトの理由を分析したり、減損処理をするなど対応が求められそうです。

3.外部人材や外部企業の活用が進む


周囲からの支援と新規事業の業績の関係

新規事業の業績には経営層からの支援と外部の新規事業担当者からの支援が業績に影響する。

第2-1-96図 分野別、外部連携の取組状況(2013年以降)

しかし、製造業で6-8割、非製造業で7-8割が社外の人材の活用ができていない。

このギャップを埋めることで新規事業の成功角度を上げる変化が起こってくるのではないかと予想する。

4.本格展開前は事業計画(PL, BS)よりもユーザーヒアリングやファネル数値が重視される


新規事業立ち上げのアプローチ変化
新規事業立ち上げのアプローチ変化

アイデア出し後のアプローチが今後の大きく変わってきそうです。

2021年までのアプローチ

①アイデアへのニーズ検証を外部の市場調査会社へ依頼

→なんとなくニーズありそう

→なんとなくでは上程しても決裁がおりない

①アイデア段階で事業計画と収益のシミュレーションを作成

→収支計画上ベストケースなら5年で投資分回収想定

→正しいのか上司や役員に問い詰められる

②上程が通ったので必要な機能要求を洗い出し見積もりから開発予算が与えられる

→開発に1年以上かかる

→最低限の機能で段階的にリリースする

③新規ユーザー獲得はPR、広告配信に頼る

→外部パートナー選定を行う

→サービスを利用したお客さんからサイトの修正希望が上がり追加開発へ依頼する

2022年からのアプローチ

④課題を持つユーザーの仮説を作成する

→簡易なプロトタイプをFigmaで作成する

→ユーザーヒアリングを行う

→プロトタイプを修正する(ヒアリングとプロトタイプ修正を繰り返す)

→コアとなるユーザー像、必要機能が見えてくる

※収益シミュレーションを行う前にユーザーヒアリングを行う

⑤ヒアリングを元にした必要機能の開発を進める

→最小機能なので開発工数、時間を短縮

※外部サービスの繋ぎこみ可

※ファネル毎、ボタンクリックなど計測環境を整える

⑥コアとなるユーザーを軸としたユーザー獲得戦略作成・実行

→ファネルの数値から定量的に課題を把握

→改修工数と見込み収益の投資対効果から開発の優先度を決める

※ここで初めてコアユーザーにお金を払ってもらえた段階で収支計画が具体化できる

5.事業立ち上げの仕組み化・ドキュメント化が進む


アイデアコンテストが一巡し、経験者が増えたことは各企業にとって価値になりました。

しかし、経験者の知識がドキュメント化されておらず場当たり的な進行から事業立ち上げの効率が次に起こると予想します。

未経験者にはビジネスモデルキャンパスを穴埋めすることも難しいと聞くので、ビジネスモデルキャンパスをさらに深堀りしたフレームワークステージ毎のTodoがまとまったリストが必要になります。

6.上長・役員の評価に新規事業の成果が含まれる


経営層の管掌と新規事業の業績の関連

上長、経営層の新規事業への関わりは事業成功に必要です。

新規事業を経験・理解しない上長、経営層は、現場スタッフの壁になります。

新規事業経験のない上長や役員を改善するために、VCへのLP出資を通してVCが開催するスタートアップ塾に参加して学びを行っている話を聞きます。

新規事業の成功角度を上げるために役員人の管掌割合が増え、人事制度の評価項目に新規事業の成果項目が加わることを予測します。

まとめ

新規事業トレンド2022年のまとめ
  1. ゲーム会社中心にNFT, クリプト領域の新規事業が実稼働開始
  2. 投資や協業目的の飛び地を行う部署にも具体的な成果や黒字が求められる
  3. 外部人材や外部企業の活用が進む
  4. 初期は事業計画(PL, BS)よりもユーザーヒアリングやファネル数値が重視される
  5. 事業立ち上げの仕組み化・ドキュメント化が進む
  6. 上長・役員の評価に新規事業の成果が含まれる

2022年のトレンドは、過去から判明した成功のための具体施策が行われる年になると予測しています。

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