SaaS上場企業のリリース初期画面9選

SaaS上場企業のリリース初期画面9選

今はSaaS上場企業はリリース当初どのようなサービスTop画面でタグラインはどのようなメッセージを発信していたのか?上場企業9つを集めてみました。

SaaS上場企業のリリース初期画面
  1. β版で登録フォームのみの簡易画面からスタートしている企業が11%
  2. 初期料金表示は67%
  3. SMB向けの価格帯を用意した企業は89%
  4. 導入企業のロゴ表示は44%
  5. 導入企業の声表示は33%
  6. トライアルプランを用意した企業は56%

PLAID(KARTE)

PLAIDの初期画面

サイトやアプリの訪問者の行動や感情をリアルタイムに解析し、一人ひとりに合わせた体験の提供を可能にするCXプラットフォームKARTE(カルテ)です。

2014年5月当時のβ版のカルテ初期画面はメールアドレスを取得するのみの簡易画面でした。

  • タグライン:ウェブは接客の時代へ
  • β版は登録フォームのみ:◯
  • 初期料金表示:β版ではなし
    • SMB向けの価格表示:✕
  • 導入企業のロゴ表示:◯
    • 導入企業の声:✕
  • トライアル用意:✕
KARTE201508_Top
正式リリース後のPLAIDのトップ画面
  • 初期料金表示:◯
    • SMB向けの価格表示:◯(5,000円/月~)
  • 導入企業のロゴ表示:◯
    • 導入企業の声:✕
  • トライアル用意:◯(14日間)
株式会社PLAIDのPMFからグロースまで PLAID(プレイド)運営KARTEのターゲット/プライシングの変遷から考えるPMFとグロース

Yappli

2013年初期のYappliのファーストビュー

アプリ開発・運用・分析をノーコード(プログラミング不要)で提供するアプリプラットフォームのYappli(ヤプリ)です。

  • タグライン:誰でも作れるiPhoneアプリ
  • β版は登録フォームのみ:✕
  • 初期料金表示:◯(β版では✕)
    • SMB向けの価格表示:◯(19,800円/月~)
  • 導入企業のロゴ表示:✕
    • 導入企業の声:
  • トライアル用意:✕(Xxxx年よりトライアル提供開始)
PMFからグロースまでを調査_Yappli Yappli(ヤプリ)のターゲット/料金プラン変遷から見るSaaSビジネスのPMFとグロース

ラクス

2002年当時のメールディーラートップページ

2001年よりラクス(旧IT Boost社)が販売開始した統合メールサポートシステム「メールディーラー」の2002年当時のトップページです。

2002年のメールディーラー料金表

当時はソフトウェア購入(1ライセンス998,000円)とASP利用(初期150,000円、月額120,000円)がありました。

  • タグライン:統合メールサポートシステム
  • β版は登録フォームのみ:✕
  • 初期料金表示:◯
    • SMB向けの価格表示:△(120,000円/月)
  • 導入企業のロゴ表示:✕
    • 導入企業の声:✕
  • トライアル用意:◯

Sansan

2007年三三株式会社_リンクナレッジ

法人向けクラウド名刺管理サービスSansanは、2007年にリンクナレッジというサービス名で事業を開始しました。

当時の画面でイメージ画像をみることはできませんでした。

ITmedia

当時の記事によると、月額10万円から提供開始していたようです。

サービス価格は10ユーザーまでで月額10万円。スキャナの貸与料と月間300枚までの名刺入力も含む。

ITmedia
  • タグライン:名刺を企業の資産に変えて、ビジネスを活性化させる
  • β版は登録フォームのみ:✕
  • 初期料金表示:✕
    • SMB向けの価格表示:◯(100,000円/月)
  • 導入企業のロゴ表示:✕
    • 導入企業の声:◯
  • トライアル用意:✕

カオナビ

カオナビ_2012年4月のファーストビュー

タレントマネジメントシステムを提供するカオナビは2012年4月にサービスを開始し、初期はブログのようなページに、導入事例、課題、解決イメージ、利用シーンがイメージで伝えられていました。

  • タグライン:名刺を企業の資産に変えて、ビジネスを活性化させる
  • β版は登録フォームのみ:✕
  • 初期料金表示:✕
    • SMB向けの価格表示:✕
  • 導入企業のロゴ表示:◯
    • 導入企業の声:◯
  • トライアル用意:✕

チームスピリット

2010年チームスピリット(旧デジタルコースト)のトップページ

働き方改革プラットフォームを提供する「TeamSpirit」は、2010年当時のホームページはテキストとリンクベースのトップページでした。

  • タグライン:チーム力を活性化させる今までにない勤怠管理!
  • β版は登録フォームのみ:✕
  • 初期料金表示:◯
    • SMB向けの価格表示:◯(368円/月・ユーザー)
  • 導入企業のロゴ表示:◯
    • 導入企業の声:✕
  • トライアル用意:◯

スマレジ

2011年スマレジのトップページ

低価格、高性能なクラウドPOSレジを提供する「スマレジ」の2011年当時のトップページです。

筐体でレジを導入していた流れから、モバイルのみでレジシステムを安く・早く導入できるようになった点が新しそうです。

  • タグライン:モバイルPOS システム
  • β版は登録フォームのみ:✕
  • 初期料金表示:◯
    • SMB向けの価格表示:◯(80,000円)
  • 導入企業のロゴ表示:◯
    • 導入企業の声:✕
  • トライアル用意:✕

※初期は1レジ80,000円で月額利用モデルではなかったように見受けられます

マネーフォワード

2013年12月マネーフォワード For BUSINESSのトップページ

会計から人事労務までクラウドでDXを推進する「マネーフォワード For BUSINESS」です。決算書・申請書の自動作成、取引自動学習入力などが行なえます。

個人事業主は月額980円、法人は1,980円/月で利用開始でき、β版から1,200以上の金融機関とデータ連携することができます。

  • タグライン:面倒な確定申告・法人決算をラクにする新時代のクラウド会計ソフト
  • β版は登録フォームのみ:✕
  • 初期料金表示:◯
    • SMB向けの価格表示:◯(1,980円/月)
  • 導入企業のロゴ表示:✕
    • 導入企業の声:✕
  • トライアル用意:◯(β版期間中は無料)

フリー

2013年7月freeeのトップページ

クラウド会計ソフトのfreee。2012年末にマネーフォワードとfreeeはほぼ同じ時期にサービスをリリース。前者は個人向け(toC)、後者は個人事業主・法人向け(toB)からスタートしているのは対照的です。

会計士に話を聞きに行っても「30年間このやり方だからこれから変わることもない」「ずっとこのやり方でやってきたから、新しいプロダクトを出されるとむしろ困る」「クラウド化する必要なんてない」といった厳しい言葉を投げつけられたという。

佐々木氏は「リーンスタートアップの手法でいえば、ピボットすべき時期でした。開発しながら『こんなもの誰が欲しがるんだ』なんて自問したこともありました。スタンダードな開発手法では『そういう時こそユーザーの意見を聞け』という話になりがちですが、私たちは違いました。専門家の意見を聞くのを止めて、自分たちが信じるプロダクトを追求しました。

TechCrunch Japan

リリース前はユーザーの意見に耳を傾けてサービスを作っていきますが、ユーザーは自分がほしいサービスを知らず、自分たちが信じるプロダクトをつくってリリース後にユーザーの好意的な意見が増えていったようです。

  • タグライン:会計ソフトをオンラインで
  • β版は登録フォームのみ:✕
  • 初期料金表示:◯
    • SMB向けの価格表示:◯(無料~)
  • 導入企業のロゴ表示:✕
    • 導入企業の声:✕
  • トライアル用意:◯(無料:3ヶ月間データ保持)

まとめ

SaaS上場企業のリリース初期画面
  1. β版で登録フォームのみの簡易画面からスタートしている企業が11%
  2. 初期料金表示は67%
  3. SMB向けの価格帯を用意した企業は89%
  4. 導入企業のロゴ表示は44%
  5. 導入企業の声表示は33%
  6. トライアルプランを用意した企業は56%

・β版は登録フォームのみ:11%(1社 / 9社)

5年以内のスタートアップは登録フォーム+広告でニーズ検証+初期ユーザーのメールアドレス獲得をしている傾向がありますが、今回調べた9社のSaaS上場企業からはPLAIDのみでした。

・初期料金の表示:67%(6社 / 9社)

・SMB向け:89%(8社 / 9社)

初期はSMB向けにスタートし、単価UPを目指すために多くのSaaS企業がエンタープライズ向けにシフトしていくために、料金非表示にする流れを見てきました。今回調べた企業で、ラクス、Sansan、カオナビは初期から料金非表示でスタートしていました。

※ラクスのメールディーラーは2021年現在料金表示あり

・導入事例掲載:33 ~44%(3 – 4社 / 9社)

金融系SaaSとラクスは初期に導入事例の掲載がありませんでした。

・トライアルの用意:56%(5社 / 9社)

初期データを入れることで提供価値があらわれるサービスは無料トライアルを初期から提供している傾向が見受けられました。データが増えることで便利になり、データを活用してアップセル機能を提供していました。