大企業の新規事業から生まれた成功例10個

大企業の新規事業から成功したサービス事例

昔はイチ部署のアイデアから生まれた新規事業サービスが、大企業になった事例をご紹介します。

いま普通に使われているあのサービスも大企業の新規事業からスタートしました。

そんな事例を見て、新規事業立ち上げに励む人の参考になるように随時更新していこうと思います。

過去の成功事例を知る3つの目的
  1. 飛び地領域の新規事業はどのような体制で立ち上がっているか把握する
  2. 売上増加率(成長率)を参考にする
  3. 上場時の代表の持株比率を参考にする

金融

KDDI&三菱UFJ銀行

auじぶん銀行

auじぶん銀行
  • 2004年:旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行が2004年の経営統合発表時から進めていたプロジェクト。構想に3年、準備に2年をかけて実現
  • 2006年5月25日:モバイルネットバンク設立調査株式会社として設立
  • 2008年6月:銀行業の営業免許を取得
  • 2008年12月:カードローン「じぶんローン」のサービスを開始

KDDI株式会社と株式会社三菱東京UFJ銀行が50%対50%で作られた会社で、2018年よりKDDIの保有率が63.8%と上がっています

伊藤忠商事&旧三和銀行

auカブコム証券(旧カブドットコム証券)

カブドットコム証券は、auカブコム証券へ。|カブドットコム証券
  • 1999年4月:伊藤忠商事(+マイクロソフトなど)の出資で設立された日本オンライン証券と、旧三和銀行系列のオンライン証券会社であったイー・ウイング証券が、2001年に合併した事によりインターネット専業の証券会社として誕生
  • 2006年1月:旧三菱東京フィナンシャル・グループ(現在の三菱UFJフィナンシャル・グループ)系のMeネット証券と合併
  • 2019年8月:KDDIの子会社auフィナンシャルホールディングスが株式公開買付け(TOB)により37.96%の株式を取得。上場廃止により、株主は三菱UFJ証券ホールディングス、auフィナンシャルホールディングスの2社のみへ

不動産

Sony(ソニー)

SREホールディングス(旧名:ソニー不動産)

ソニーはなぜ不動産業を始めたのか?[増補改訂版] 不動産流通革命に挑む改革者たち | 茂木俊輔, 日経BPビジョナリー経営研究所 |本 | 通販 |  Amazon
ソニーはなぜ不動産業を始めたのか?
  • 2014年4月:ソニーの新規事業創出の取り組みの第一弾として設立
  • 2014年8月:一般消費者向けの売買仲介のサービスを開始
  • 2015年7月:ヤフー(現Zホールディングス株式会社)と中古住宅流通での業務提携を発表
  • 2015年11月:ヤフー(現Zホールディングス株式会社)と不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」を開始
  • 2019年12月:東証マザーズに上場
  • 2020年12月:東証一部に市場変更
2015年3月2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月
売上高(千円)226,5341,168,3692,067,3612,597,3702,853,923
前年同期比(%)415.8%76.9%25.6%9.9%
売上高推移

初年度2.2億円の売上。2年目で11.7億円、5年で上場。社内新規事業でスタートアップ並みのスピード感は凄まじいです。

上場時の株主構成は以下です。

株式保有割合
ソニー株式会社53.0%
Zホールディングス株式会社41.2%
西山 和良(社長) 2.6%
株主状況

SRE不動産をさらに調べた記事は↓からどうぞ。

SRE不動産から得られる4つの学び 非公開: ソニーの新規事業から生まれたSRE不動産(ソニー不動産)から得られる4つの学び

清水建設

プロパティデータバンク

プロパティーデータバンクHPより
プロパティデータバンクHPより
  • 2000年10月:清水建設株式会社の社内事業家制度を活用し、プロパティデータバンク株式会社を設立。不動産の運用管理に関するASP事業および情報管理業務、システムインテグレータ業務を開始
  • 2000年10月:資産基本情報機能をリリース
  • 2007年3月:アセットマネジメント機能をリリース
  • 2011年11月:固定資産管理機能をリリース
  • 2016年6月:一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会の会員向けクラウドサービス「全宅管理業務支援システム」開始
  • 2018年2月:クラウド事業本部がISO/IEC27017の認証取得
  • 2018年6月:東京証券取引所マザーズ市場に上場

社内新規事業から18年でマザーズへ上場。

2013年3月2014年3月2015年3月2016年3月2017年3月
売上高(千円)1,007,2881,123,0101,031,5411,130,7281,081,884
前年同期比(%)11.5%-8.1%9.6%-4.3%
売上高推移

上場前5年間は10億円前後の売上から成長率は低いですが、2018年より前年同期比平均19.1%の成長をしています。

プロパティーデータバンク_2021年3月期の決算説明資料より抜粋

飲食

三菱商事

スープストックトーキョー(スマイルズ)

「スープのある1日」という物語からSoup Stock Tokyoは生まれた 起業家・遠山正道
  • 1997年12月:三菱商事株式会社に在籍する遠山正道が出向先である日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社において「Soup Stock Tokyo」の企画書「スープのある一日」を起案
  • 1998年8月:お台場ヴィーナスフォートにSoup Stock Tokyo第1号店オープン
  • 2000年2月:三菱商事株式会社コーポレートベンチャー0号として、株式会社スマイルズを設立
  • 2008年2月:MBO(マネジメント・バイアウト)を実施(遠山正道100%出資の会社)
  • 2016年2月:株式会社スマイルズよりSoup Stock Tokyo事業を会社分割し、株式会社スープストックトーキョー設立

「Soup Stock Tokyo」はスープを売っているがスープ屋ではない、スープはその共感のための軸である、スープに共感して集まってきたお客様に自分たちはスープを提供して、「これは良いよね」とか「こっちはダメじゃん」とかいった共感の関係性ができれば、スープが別の食べ物になったり、別のサービスになっていったりするということを書きました。

「スープのある1日」という物語からSoup Stock Tokyoは生まれた 起業家・遠山正道

医療

So-net(ソニーネットワークコミュニケーションズ:ソネット)

エムスリー

2003年時のM3のHP Top

みなさん、社名のエムスリーの意味はわかりますか?私は調べるまで知りませんでした。

Medicine(医療)、Media(メディア)、Metamorphosis(変革)の3つの言葉を指してM3(エムスリー)とのことです。

また、「m3.com」は、「医師をはじめとする医療従事者が、”欲しい!”と思った情報に最も迅速(スピード)かつ適確(質)にたどりつけるサイト」として誕生。専門医療情報に特化したニュース、サーチエンジン、ディレクトリ、文献検索、独自コンテンツ等を提供しています。

  • 2000年9月:So-net M3という社名でソニーからの出資(資本金2億円)を受けて会社設立
  • 2000年10月:製薬企業向けにMRのオンライン化を支援するMR君を提供開始
  • 2002年3月:ウェブエムディ株式会社より、医療情報サイト「WebMD Japan」の運営を引き継ぐ
  • 2002年8月:医療情報サイト「WebMD Japan」を「so-net m3.com」に名称変更
  • 2003年7月:「MyMedipro」と「so-net m3.com」を統合し医療専門サイト「m3.com」運営開始
  • 2004年9月:東京証券取引所マザーズ市場上場
  • 2007年3月:東京証券取引所市場第一部へ上場市場を変更
  • 2010年1月:エムスリー株式会社へ商号変更

2004年9月のマザーズ上場時の株主構成は(当時の有価証券報告書より)

株主名%
ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社74.8
谷村 格(代表)6.5
その他18.7

※2005年5月にソニーコミュニケーションネットワーク株式会社はM3の株を14%売却

上場までの売上推移は下記です。

2001年3月2002年3月2003年3月2004年3月2005年3月
売上高(千円)107,691480,929891,2951,563,9182,200,000
前年同期比(%)346.6%85.3%75.5%40.7%
売上高推移

平成17年(2005年)3月末時点で、日本国内の医師総数25万人の約9.7万人(38%)の医師を含む、21万人以上の医療従事者がM3に会員登録していたとのことです。

2022年では、世界の医師1,200万人の50%以上が利用するサービスへと拡大しています。(2022年7月の資料p18より)

日本発・世界で利用されているWebサービスは、メルカリやスマートニュースよりも先にM3となりそうです。

EC

住友商事

MonotaRO(モノタロウ)

2000年時のモノタロウのHP Top

モノタロウの会社名MonotaROは、Maintenance,Repair and Operation Products (MRO) と称される工場用の間接資材や準ずる商品を約24万点データベース化し、ネットを通して発注から納品までの一貫サービスを提供することを目的にスタートしました。

サービスのTopから想いが掲載されているのもいいですね!

  • 2000年10月:住友商事と米国グレンジャー社の出資により住商グレンジャー(株)を設立
  • 2001年11月:間接資材調達サイト全国展開
  • 2004年7月:第1のプライベートブランド「モノタロウ」を発売開始
  • 2006年2月:社名変更(住商グレンジャー(株) → (株)MonotaRO)
  • 2006年12月:東証マザーズ上場
  • 2009年12月:東証一部上場

上場前の売上高推移は下記です。

2001年12月2002年12月2003年12月2004年12月2005年12月2006年12月
売上高(千円)28,107872,3642,426,2584,608,7916,785,3309,175,451
前年同期比(%)3003.7%178.1%90.0%47.2%35.2%
売上高推移

2001年全国展開からの売上前年同期比3003%増は凄まじい伸びですね。

株主名%
住友商事株式会社41.82
Grainger International, Inc.37.29
瀬戸 欣哉1.90
その他18.99

株主構成からわかるように、住友商事時代に瀬戸さんが住商グレンジャーを立ち上げました。創業者の持株比率はどこも5%前後以下と低いです。ちなみに瀬戸さんは身長184cmで現在株式会社LIXILグループの代表執行役社長 兼 CEOです。

スポーツ

大日本インキ化学工業

スポーツクラブ ルネサンス

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出版

伊藤忠商事

マガシーク

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ナビゲーション

東芝

駅探

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